【日刊木材新聞 平成21年12月10日付け記事より】
政府は、平成21年12月8日の閣議で、2009年度第2次補正予算案に盛り込む緊急経済対策を決定した。住宅関連では、住宅版エコポイントの創設、フラット35Sの金利優遇、木造住宅の振興などが盛り込まれている。経済対策を実行するための第2次補正予算案は15日の閣議で決定される予定だ。
国土交通省の前原誠司大臣は、金融経済対策のうち住宅関連のものについて、「住宅版エコポイント制度の創設に1000億円、住宅金融支援機構のフラット35の特例として、金利を10年間、現行金利から1%引き下げる住宅金融の拡充に4000億円、木造住宅の振興に11億円を割り当てた」と発表した。
住宅版エコポイントは、新築とリフォームの両方に適用され、新築の場合は、戸当たり30万円の還元を想定している。「木造住宅の場合は次世代省エネ基準を満たしていることが要件となる。一般的な住宅は、広さなどには関係なく、戸当たり一律30万円の還元を考えている。」(国土交通省住宅局)
また、住宅金融支援機構のローン金利は、省エネ性耐震性の高い高性能の住宅に適用されるフラット35Sの金利について、来年1年間の申し込み者に限り、当初10年間(長期優良住宅は20年間)の優遇金利を、現状0.3%のところ、1%に拡充する。
木造住宅の振興についても11億円の予算が要求されており、地域材を活用した展示場の建設などが中心となる。
【日刊木材新聞 平成21年12月17日付記事より】
第2次補正予算
緊急経済対策を実施するための第2次補正予算が15日、閣議決定した。緊急経済対策のなかには、住宅版エコポイントの創設が盛り込まれているが、新築については、当初は2010年1月1日以降としていた対象住宅の着工開始日を12月8日に前倒しした。住宅版エコポイントの第2次補正予算額は、国土交通省で333億円、経済産業省で334億円、環境省で333億円の、計1000億円となる。来年1月に開催される通常国会に補正予算が提出されて成立後、施行となる。
住宅版エコポイントの対象となる新築住宅(マンション、アパート含む)は、木造住宅の場合は次世代省エネ基準が、それ以外の住宅は、1次エネルギー消費量を次世代省エネルギー基準比で10%削減しなければならない、より厳しい基準のトップランナー基準を備えていることを条件としている。
木造住宅に対しては、木材に炭素の吸収効果があることから、基準が緩和された。 また着工条件は新築の場合、12月8日から来年12月末までに建築着工して住宅で、補正予算成立以降に工事が完了し引き渡されることとなる。リフォームの場合は、予算成立後に工事完了、引渡しが条件となる。
新築の場合、1棟当たり30万円程度のポイント還元が検討されている。環境寄付などの配慮がされている商品券やプリペイドカード、公共交通機関の利用カード、地域振興に資する地域商品券、省エネ・環境配慮に優れた商品等との交換が検討されている。 なお、長期優良住宅普及促進制度の100万円補助など、各補助制度との併用はできない見通しだ。
エコリフォームについては、内窓の取り付け、ガラスの複層化、断熱工事などが対象となるが、例えば、窓1つの交換につき何ポイントにするかといった詳細の仕組みについては年内に決定するとしている。
【解説】
多少強引に計算すると、1000億円÷30万円=約33万戸。2009年の全住宅着工数が80万戸を切るのが確実な情勢下での33万戸は期待できる数字だ。住宅を建てようとしている方が、30万円の還元をどう考えるかだが、住宅ローンの3~4ヶ月分と見れば効果がある政策といえる。長期優良住宅が一気に普及するものと思われる。