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年頭所感

 

和歌山木材協同組合 理事長 宮本次朗

 

 和歌山木材協同組合の組合員の皆様、新年明けましておめでとうございます。2016年 >(平成28年)申年が始まりました。ご家族揃って良い新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

 

 昨年は第1段アベノミクス政策の総仕上げの年で政府と日銀が連携し金融緩和を行い、お金の量で流通を良くし、また本格的な大型補正予算と本予算を組み需要の創出を行い景気を下支え、そして働く人々にとって持続的な経済にさせる為の規制緩和や制度改革を行い、民間企業の投資を喚起する為の攻めの政策を行った8ヶ月間だったと思います。ただその後の4ヶ月間は、特に地方の経済に対する実感がまったく無くなり、経済の好循環を本格化する事が出来なかったように思われます。
 そこで、昨年末から新年にかけて景気回復の加速をさせる為の政策として第2ステージの新しいアベノミクスの三本の矢が放たれました。その三本の矢は未来に希望と夢を描きだすより良い経済目標を制定し、雇用増、給料アップによる消費の拡大と人材育成。また子育て支援策として希望出生率を高め、そして安心安全につながる社会保障で介護離職ゼロ、生涯現役長生社会とデフレ脱却への道筋がはっきりと見えてきているように思います。

 

 さて、現在の日本は超高齢化社会が進んでおり、2025年には65歳以上の人口が3600万人を超えるとも予測され、将来推計人口の推移からみても人口の減少、さらなる少子高齢化は避けられません。住宅業界に於きましても2016年は消費税率が10%にアップすることが見込まれる直前という事もあり新設住宅着工戸数が約92万戸と予想されるも、2020年には約76万戸、2025年には約64万戸、2030年には53万戸と徐々に減少していくことが見込まれます。新築戸建住宅やマンションの対象となる年代も年々減少する中、高齢者向け施設の需要増に対して供給が追いついていないのが現状であり、これからの住宅は非住宅への変革が求められます。
 日本における木材需要の約4割、国産材需要の約55%が建築用材であり、非住宅の木造化、木質化が木材の消費を喚起する事でしょう。こうした流れの中、われわれ和歌山木材協同組合におきましても県や市と情報交換を行いながら木材需要の拡大に取り組む事が課題であります。さらに組合の運営は勿論のこと委員会活動の活性化、木材の良さを普及啓発、組合員に対する福利厚生等も進めていかなければなりません。そして昨年に引き続き大工育成、県産材に対する取組等の研究課題も急務であります。

 

今年は私自身、『徳』という事はどういう事か?私自身常に問い掛けてみようと思います。『徳』は仁・義・礼・智・信で始まり、仁・義・礼・智・信で終るといわれています。仁とは、やさしい心。義とは、正しい道。礼とは、社会生活規範。智とは、洞察力。信とはうそをつかない事だそうです。
 今年は新たな組合づくりへのスタートとして組合員の皆様と共に尚一層努力し、知恵をお借りしながら力を合わせて進んでまいりましょう。最後にどうか組合員の皆さまとご家族にとりまして穏やかで幸せな一年でありますよう心よりお祈り申し上げ私の新年のご挨拶と致します。