和歌山木材協同組合 理事長 宮本次朗
新春のお慶びを謹んで申し上げます。
本年もさらなる組合員の満足度の向上を目指して参りたいと思っています。
今年の私の抱負は、頑張ろう目的に向かって“I can do it”(もっとやれるはずだ!)をスローガンに掲げてみました。それは何事においても、夢、希望がいつまでも継続できる組合が必要だからです。
今、私達は大きな変化の真っ只中にいます。世界も、国も、企業も、組合も、そして私達家庭も、日常生活も目まぐるしく変わりつつあり、お互いの価値観も益々多様化しています。そして、社会が複雑になるにつれて人間関係が尚一層難しくなっています。
そのような状況の中で私達はどのように対応し、この組合をどう修正したら良いか、色々と考え勉強しなければなりません。
そこでまず取り組んだのは、
(1) 昨年7月に私達組合員は木材需要拡大の為に和歌山市を訪問し、市長に対して「地域の木材」を「地域で加工」して「地域の技術」で建てる、いわゆる「地産地消」による建築物の木造化を要望致しました。
(2) 8月には、和歌山産業技術専門学院様と、これからの経営者、又は指導者はどうあるべきか?そして、この先20年はどのような時代になっているかをテーマに話し合いました。
(3) 9月には、和歌山市との第一回勉強会を県、業界関係者を含め43名の参加者のもと木の長所、木の短所、そして木を使う意義について話し合う事が出来ました。
(4) 10月には、和歌山県立和歌山工業高等学校の校長先生をはじめ6名の先生方と生徒81名で2回に分けて人材教育、建築の基礎について勉強会を行いました。
(5) 11月には、和歌山市を訪問し、市長に紀州材の利用推進についての要望書を役員全員で手渡しました。これは、平成28年5月24日に新たに森林・林業基本計画が閣議決定された事により、非住宅分野等に新たな木材需要創出と、国産材の安定供給体制の構築等を進めるといった方針によるものです。
(6) 11月14日の和歌山市との第二回勉強会は県、関係者含め46名にて木で設計する、木を加工する、木で建築する、をテーマに有意義な内に勉強会を終える事が出来ました。
そして、今年は和歌山市との第三回目の勉強会がスムーズに実施出来る様に1月中に7名程度にて方向性を議論し、2月に予定している勉強会に備えたく考えております。
私達の行動は、確実に実行に向けて進んでおります。人生は一度ですが、「歴史は繰り返す」と言われています。私達の先輩達もその変化と環境には柔軟に即応していく生き方を教えてくれているように思います。
例えば、昨年はリオ五輪がありました。メダルは日常のたゆまぬ努力と執念、死にものぐるいの必死さがあり、その上に知性を磨き、豊かな表現力を身につけた人しか取れません。ただ凡人の私には到底そのような高度な経営能力も、組合員を統率する能力もございませんが、良い事は真似ると言う素直さだけは有る様に思っています。
最近、先人の書いたある本を思い出して本棚から5冊程の本を引っ張り出し読み直しました。すると、非常におもしろい共通点があり、それらは現在でも使える内容でした。その内容は日本の企業、経営者の有り方で1985年頃の資料です。
簡単に言いますと大企業、中堅企業、中小企業の経営者198万人についてです。
(1) 大企業の経営者は単純な考え方が多く、「私が社長の間は波風をたてるな!」という考え方が50%以上占めるそうです。
(2) 中堅企業の経営者はやや単純な考え方が多く、「私が頑張ってここまで来たのだから、もっと会社を大きくしたい!」という考え方が80%程度だそうです。
(3) 中小零細企業の経営者は自己中心的な考え方が多く、「先代と違うやり方でやるんだ!」という考え方で、我がままな経営を個性だと勘違いしている経営者が90%もあるそうです。
私が何を言いたいかは、それぞれ各人の解釈に任せますが、今本当に考えなければならない事は、誰でも自分自身の考え方に自信があり、間違っていると思いたくないという事です。しかし、「自身の考え方を修正する必要が無いと思いがちな方は、決してベストな考え方では有りません」と、この本は言っています。「経営者は心を留守にするな」とよく言います。勿論、人の心は分析や科学的な手法だけでは理解出来ないそうですが、時代が進み体制が変わり世の中が進歩しても変われない部分もまた人間にはあると思います。はたして本当にそれで良いのでしょうか…?それでもお互い組合の為に“I can do it”で頑張りましょう。
最後に組合員の皆様におかれましては、ご家族のご多幸と会社の益々の発展(増収、増益)を心よりお祈り申し上げて新年のご挨拶といたします。