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創立70周年記念祝賀会ご挨拶

和歌山木材協同組合
理事長 中谷友紀

本日は和歌山木材協同組合創立70周年記念祝賀会を開催いたしましたところ、年始早々の大変お忙しい中、和歌山県知事 仁坂吉伸様、和歌山市長 尾花正啓様、衆議院議員 岸本周平様、そして日頃からお世話になっております和歌山県、和歌山市の行政担当部署の皆様方、また業界団体からは和歌山県木材協同組合連合会 会長 榎本長治様をはじめといたします和歌山県下、各地木材協同組合理事長様、その他大勢の業界関係者の皆様方のご臨席を賜り、そして何よりこれまでの組合運営を支えてこられました諸先輩方や、多くの現役組合員の皆様にご出席いただき、このような晴れやかな場を開催できました事を心よりお礼申し上げます。

和歌山木材協同組合は、昭和24年に中小企業等協同組合法が施行され、それまでの和歌山木材林産組合を発展的解消し、今から70年前の昭和25年2月に組合員数210名のもと設立をされました。
しかしながら和歌山市における木材業界の組合組織の歴史はさらに古く、明治23年5月、1890年に和歌山木場立木材商組合が設立されたことが、その起源とされています。1890年というと、教育勅語が発布された年であり、帝国議会が設置されたのも同じ1890年のことであります。そのような時代背景からも当時の木材組合の設立は、まだまだ全国的に見ても珍しく、国内における木材組合設立の先駆けであったことが、当時の資料からもうかがえます。
その後、時代の移り変わりとともにその名称は幾度かの変更を見ることとなりました。また戦時中は木材統制法により一時活動停止の状態もありましたが、本年をもって和歌山木材協同組合設立から70年、起源とされる和歌山木場立木材商組合設立からは実に130年を迎えることができました。
このように長きにわたり和歌山木材協同組合が続けてくることができましたのも、また和歌山市において木材産業が地域に根ざした産業であり続けることができましたのも、先人たちのたゆまぬ努力があったからこそとの認識を新たにし、非常に感慨深いものを感じます。
また昭和25年和歌山木材協同組合の設立当時から今日までを簡単に振り返れば、第2次世界大戦により焦土と化した日本が、戦後復興から高度経済成長へとつながる中で、住宅建設などを中心に木材産業が果たした役割は極めて大きなものでありました。
とりわけ和歌山地域においては、昭和時代は国内有数の米ツガ柱の一大生産地として、全国的に見ても非常に大きな役割を果たしてまいりました。
その後、昭和から平成へと移り行く中で、人々の価値観も、より便利なもの、より楽なものを求めるようになり、それに沿うように、木材業界においても、欧州産に代表される集成材やプレカット工法などの出現、また製材工場の大型化など、大きな変革の時期が訪れました。
そして令和の時代となり、昨今では、公共建築物木造化の推進や森林環境税の創設に代表される様に国の施策の後押しも増えてまいりました。また最近ではSDG’Sという言葉をよく耳にするようになりましたが、人々の価値観も高度経済成長期から成熟社会へと移る中で少しずつ変わってきたように感じられます。
令和の時代は、環境にやさしい、温かみがあるなど、木の良さが見つめ直される時代になることを大いに期待したいところであると同時に、和歌山木材協同組合としても、これからの令和の時代は、木材のもつ「魅力」「価値」をもっともっと創造していく努力を重ねればならないと考える次第です。
本日は70年という節目を機に、これまでの過去の歴史を振り返ることで、創意工夫を重ね木材産業の発展にご尽力をいただいてきました諸先輩方に敬意を表するとともに、これからの木材産業の未来を築いていかなければならない責任を担っている現役世代はその思いを新たにする。そんな機会にできればと考えます。
最後になりましたが、和歌山は紀州紀ノ国「木の国」であります。この地で生まれ、この地に育まれた我々が、本日お集りの皆様方とともに木材について思いを馳せる。そんな時間を皆様方と是非共有できます様、心よりお願い申し上げ、祝賀会冒頭のあいさつに代えさせていただきたいと存じます。

 

2020.1.16 和歌山木材協同組合創立70周年記念祝賀会