和歌山木材協同組合
理事長 中谷友紀
新年あけましておめでとうございます。本日お集りの皆様方におかれましては、良き新年をお迎えになられたことと心よりお慶び申し上げます。
また本日はご多忙中にもかかわらず、和歌山県知事岸本周平様、和歌山市副市長犬塚康司様、衆議院議員林佑美様をはじめ日頃から大変お世話になっております行政・金融・関係団体・業界新聞社・伊太祁曽神社の奥宮司様など多くの方にご列席賜り、本年も恒例の新年交歓会を盛大に開催できましたことに、心より御礼申し上げます。
本年は元日に発生した能登半島地震により多くの方が被災されました。また今日は阪神淡路大震災からちょうど29年となる節目の日でもあります。この場をお借りしてお亡くなりになられた方に心からご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々にお見舞いを申しあげます。東日本大震災から10数年が過ぎて、少し地震への恐怖が薄れかかっていたタイミングでの今回の震災でした。我々組合員の多くが港湾地区に立地していることを考えますと「明日は我が身です」。私も家族と離れている際に地震が起こった場合の合流場所、避難場所を家族と再度確認をいたしました。皆様方も今一度天災への備えを徹底していただきたいと思います。
さて、昨年を振り返りますと、5月にコロナ感染症が5類に移行され、徐々にコロナ前の日常が戻ってまいりましたが、その一方で急激な物価上昇が起こりました。株価も高値を更新し、大企業では好業績の企業も多く見られますが、多くの中小企業においては、まだまだ販売価格へのコスト転嫁を十分に行うことが出来ず、よって業績アップや賃上げについてもまだまだ追いついていないという状況であると感じております。
また、木材業界を取り巻く環境についても、2021年春に始まった「ウッドショック」と呼ばれる価格上昇が、一昨年2022年夏ごろに終了し、そこからは一転価格の下落が始まりました。昨年は年間を通じてコストアップの中で木材価格は低迷するという逆ザヤに苦しんだ1年であったかと思います。
住宅着工についてもパッとしない1年間でありました。全体としては微減に収まっていますが、中身を詳しく見ていきますと用途別では持ち家の着工戸数は25ヶ月連続の前年同月比割れ、構造別では木造の着工戸数が21ヶ月前年同月比割れと厳しい状況が続いております。住宅販売価格の上昇や将来の利上げを見込んで、住宅購入を控える動きが増えたものと想像しますが、本年中には物価上昇が賃上げなどに十分反映されることで景気の好循環が生まれ、結果住宅着工が持ち直すことを期待したいと思っております。
とは言え、暗い話ばかりではありません。ここ数年で「SDGs」「循環型社会」「脱炭素社会」「カーボンニュートラル」など「環境」にまつわるキーワードがたくさん生まれ、国内のみならず世界中で「環境」に対する意識や行動の変化が実感されるようになってまいりました。
特に最近は他産業界であっても「地球環境維持に貢献する」ことが企業の社会的存立に重要な要素とみる企業が増えているように感じております。
このような世の中の流れは、森林資源国である日本、また森林資源県である和歌山に林業・木材業復活のチャンスがようやく巡ってきたと前向きにとらえたいと考えています。また、業界としても環境問題に積極的に取り組む姿勢がある他産業や他企業あるいは、大学や自治体などとの交流、連携を深めていく必要があると思います。さらには、我々業界以外の知恵を取り込むことで木材業界の発展に繋げていければと考えます。
本年スタートは舵取りがなかなか難しい中での船出となりそうですが、その先にある大きな時代の流れ・価値観の変化をしっかりと読み取り、これからの時代に沿うよう木材業界も新たな発想の転換を図り、組合としても「未来志向の木協」を推進し、組合員各社の発展や経営基盤の強化に寄与してまいりたい所存です。
最後になりますが、ご来賓の皆様方、組合員の皆様方には本年も引き続きのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ、年頭の挨拶に代えさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和6年1月17日
令和6年 和歌山木材協同組合 新年交歓会
於 ダイワロイネットホテル和歌山