米材相場

上記は昭和11年の米材の各種相場である。

(三) 吉野材の全盛時代

 大正から昭和の初期にかけて、当市の原木入荷のうち量的に最も多いものはやはり吉野材で其の最盛期には年間700,000石から800,000石の入荷を見大正から昭和5、6年頃までは、まさに吉野材の黄金の時代であった。入荷量のうち其の約7割は原木の儘京阪神から中国、遠くは鮮満に移出されている。これらの吉野の流下材を各郷の産地別に見ると、最も多いのは明治時代と同じく川上郷で次は小川郷、西奥、黒滝、中荘郷の順になっている。

 筏問屋では、最高はこれも明治時代と同じく、北村商店で筏の枚数にして年間約1,000枚次は桝屋の600枚第3番目は大正期に新しく開業した(株)大紀商会である。滝野と五味の両問屋は、漸次取扱量が減少し、200枚内外と明治時代に比較すると凡そ半減している。