(3)市況の動向と価格の変動
 木材市況の動向や、価格の変動は経済の動きと需要と供給の影響による場合が最も多い。
然し戦後は経済の好不況にかかわらず木材価格が上昇し木材価格が、他の物資に比べ最高の水準を締めた。
これは戦後の膨大な戦災復興需要と戦時中の過伐乱伐による森林資源の枯渇と需給の不均衝によるもので、戦後の大きな特色と言へる。 然し、外材が大量に輸入されるに於て斯様な傾向が訂正され経済の動向にしたがって変動するようになった。
終戦直後から昭和24年・5年頃までは、前章にのべた通り戦後の混乱期で買いさへすれば儲かる、売りさえすれば儲かるといふ状態で相場があって無きが如き時代であった。
然しながら当時は未だ木材統制法による価格制度(昭和25年1月徹発)が実施されていたので、此の価格によって協定されていた為に、一般には、統制価格によらなければそれ以上の売買行為は闇取引として罪せられたものである。
従って本書では木材統制法が全廃された昭和25年1月以降の価格の変動並びに市況の動向について記するが、参考のため先ず昭和24年11月改正された木材統制価格を左に掲載する。