円と昭和36年の木材価格緊急安定対策当時の高値に逆転、更に43年には5,700円と、戦後最高の記録を突破。檜良材の如きは相場があって無きが如き値上りを見るに至った。
近年の市況動向と価格の変動
此の間、昭和41年から市況が好転、製品価格も又上昇。米栂2間3寸角、5,850円と前年不況期(5,150円)の凡そ2割近くの値上りを見た。一方、これに反し国産材は5,300円から5,600円と米栂に比べ殆んど値上りを見ない状態となる。
これは昭和40年代より、外材は国産材の代替品から、住宅構造材の主製品として国産材にとって変わった為である。
こうした状況の中に、昭和44年半ばより、金融引締措置が実施せられ、価格は頭打ちとなり、昨、昭和45年は例年に見る秋需もついに不発に終り、1970年の初頭は、不況の中に明け暮れた。
以上の如く、戦後の木材価格は終戦の昭和20年代は、膨大な戦災復興需要に支えられ、経済情勢のいかんにかかわらず、年々上昇を続けたが、昭和30年代は、経済の急速な発展と高度成長政策等による経済の動向によって、大きく左右され、続いて、昭和40年代に入ると、外材輸入の増加とコストの低減からついに生産過剰の現象と過当競争が発生、其の反面木材需要は、大企業の住宅産業の進出、外材製品の輸入の増加その他、新建材や木材代替品の著増、住宅構造の変化等から需要は伸び悩みの状態となる。従って価格は経済事情の好不況のいかんによらず慨して頭打ちとなり、戦前とは全く異った傾向にある。