筏に上積するも和歌山市を経由せずして、陸運にて兵庫灘方面へ通送せらる事もあり、而て筏を流下する際に吉野郡飯貝(吉野材木同業組合検査所の所在地)迄の運賃は荷主の負担にして同所より和歌山港迄は問屋負担、其の賃率不明なるも、飯貝より和歌山港に至る運賃は左記の如し。

筏の運賃

1、筏 2間1床に付 金67銭 但6本床は金1円34銭4本床金2円1銭

2、松、樅、栂、丸太2間1床に付 金99銭 但6本床は金1円78銭4本床金2円48銭

3、色樽丸、酒樽、長皮、洗丸太、大割物1駄に付 24銭

4、3号以外の諸駄物 同 金22銭

5、槻、葉楼、柏、栗角100才に付 金23銭

6、松、樅、栂、角材100才に付 金20銭

7、桧皮付、槇丸太2間1床 金86銭 筏1床の本数及才数

筏一床の本数

上記の外2間半、3間、4間、5間等あるも其の名称、才数、床巾等は大体同様にして3間物は3間細3間なりと称す。尚筏一卑とは長さ30間、巾8尺のものを言う。