9床を連結し都合11床の凡そ30間床とし凡そ60尺締め(85石)の材積とす。此の筏1組を一卑と言った。尚下流の川巾の比較的広いところまで流下すると床を2つならべて8尺とした。斯様にして組まれた筏に次の様な種類があった。

(2)筏の種類

筏の種類

以上のうち2本詰、3本詰、4本詰、5本詰を別名4、6、8、10と呼ぶ。 筏1組を通常一卑と言うも筏の最先端のものを俗に"汽関車”と呼んだ。これは筏の連結方法が汽車に似ていたことと汽関車は汽車の先端部にあったからである。尚黒木類や雑木の混じった市場性の少ない低級の筏を”ワキ役”と呼んだ。角力のフンドシかつぎの意である。

筏の運賃と一床の才数

吉野材は総て筏にて流下し樽丸の如き加工材は