(九)筏乗り下しの方法
(上乗り、中乗り、下乗り)
吉野川の枝流から本流を経て紀之川に下る筏は剣所や川巾の関係から特殊な技術と非常に困難を極めたものである。先ず枝川の筏流しの方法から左に記録す。
枝川は水なきをもって先ず其の筏●みの場所に溜塞き(鉄砲セキとも言う)と称し、川巾に材木をもって枠を組み其の中に大石を入れ其の川巾の広狭によりて数個を造り之れに長木(塞台と言う)を横に架し、欄杭数10本を打ち斯くして萱又は之に類するものを置き、その上に杉皮を被ひ細き棒にて之を狭み其の根にも土砂を入れて水の漏れざる様になし筏の通る処(水道ちと言う)を7、8尺の間を明け水底には横木を伏せ、