(5)管流
管流は水の少ない各川を利用して木材を筏に組むべき土場迄で1本ずつ流し出す方法である。然し吉野川の枝川は水少なく且つ岩石が横たわっていて、流材に困難な所が多く、かかる所は一時的に堰を造り堰出をす。即ち水流を狭めて水流を増して流材を容易ならしめる。其の方法は先ず岩石の間に木材を横たえ、之を土台とし、更に下方に支柱を設けて杭を立て、之れに添うて搬出すべき丸太材を水平に数本併べ、其の間隙に苔(コケ)を詰め其の上に更に土を置き斯くして水を溜め、水量大になりたるところで塞を切り水流の勢いに乗じて1本宛流す方法を管流しと称す。この様にして本流まで運び出された木材は筏に編成(前記参照)され吉野川から紀の川を経て和歌山河口に到着した。
吉野材㈱和歌山支店開設
明治中年奈良県吉野郡吉野村大字飯貝第90番屋敷に吉野材木株式会社が設立され其の後和歌山市港本町2丁目第17番地に支店が設置さる。