製材品検査制度の実施
木材の検査制度が実施されるまでの段階についてはすでにのべた通りであるが、本県に公営による検査制度が実施されたのは、昭和9年4月からであった。 此の検査制度には、種々な問題があり、業者の中には強い反対の意を表明する者もあり、本県木材同業組合連合会(当時の会長杉本喜代松氏)に於ても、本案について屡々協議致したる結果、伝統ある紀州材の名声を維持するためには公営検査制度も又止むなしとの結論に達し昭和8年6月開催の本連合会大会に於て公営検査実施に関する議案を提出、席上尚且つ反対の意を強く表する者もあり、議場は一時騒然とするも漸く実施の決議を見るに至り、県当局に陳情するところとなった。 茲に於て、県は市場の現況と与論の趨勢に鑑み、規格を統一し伝統ある本県産木材の声価を高め、