尚施工に当って県は開発公社により資金は縁故債の案を打ち出したが、この案には幾多の難点があり、結局施工面は県企業局で資金面は地元銀行の融資により実施することに取り決め、先ず資金面の融資につき地元銀行団と接渉の結果、融資総額1,650,000,000円を年率7.5%、完成後8ヶ年(昭和41年より同48年迄)の8ヶ年、年賦により完済する事に決定を見るに至った。
<和歌山南港貯木場造成出資者組合結成>
此の時点までは、貯木場造成に関する推進業務は、和歌山港湾貯木場設置促進協議会並び和歌山木材港建設委員会で進められてきたが、ここに至って造成土地の買受予約を決定し、これらの業者で和歌山南港貯木場造成出資者組合(組合長石井堅蔵)を結成、爾後はこの組合が推進母体として活動する事とし、該業務の総べてを本組合に引継ぐ事とした。
この間出資者組合は県との間で、土地売買契約を締結せんとしたが、県は出資者個々とでは、契約しない其の組合は法人に限るとの意向から和歌山木材協同組合(理事長中谷長蔵)と和歌山県(知事職務代理副知事大橋正雄)との間で次の覚書を作成調印した。
<覚 書>
和歌山南港貯木場造成にともなう工場用地の譲渡に関する正式契約を締結するまでの暫定措置として、和歌山県知事職務代理者和歌山県副知事大橋正雄(以下「甲」という)と和歌山木材協同組合理事長中谷長蔵(以下「乙」という)との間に、次のとおり覚書を交換し、以下の条項が公正妥当なものであることを相互に確認した。
第1条 甲が造成する工場用地約64,000坪の買受予納金として、乙は102,400,000円を昭和38年4月10日までに、76,800,000円を同年6月15日までに、76,800,000円を同年8月31日までに甲に予納するものとする。