一旦納付した予納金は、一切返還しないものとする。
第2条　前条による予納金は、甲が発行する納付書により納付するものとする。
第3条　この覚書調印後本事業計画が確定した後、甲と出資者との間に正式に契約を行なうものとする。
第4条　この覚書に基づく義務を履行しないときは、この覚書による契約を解除できるものとする。この場合当該相手方は一方当事者の受ける一切の損害を賠償するものとする。以上覚書を証するため本書2通を作成し、記名押印の上各自1通を保有する。
　昭和38年4月8日
　甲　和歌山県知事職務代表者
　和歌山県副知事　大橋正雄
　乙　和歌山木材協同組合
　理　事　長　中谷長蔵
　しかし乙の和歌山木材協同組合は覚書交換の一方の当事者であるが、実質的な責任者は、和歌山南港貯木場造成出資者組合（組合長石井堅蔵）にあり乙はただ代行者にすぎないので後日のため、次の覚書を和歌山木材協同組合と、和歌山南港貯木場造成出資者組合との間で交換し、責任の所在を明らかにした。
＜覚　書＞
　和歌山南港貯木場造成土地譲受けに関し和歌山木材協同組合理事長中谷長蔵（以下「甲」という。）と和歌山南港貯木場造成出資者組合組合長石井堅蔵（以下「乙」という。）との間に次の覚書を交換し相互に以下の条項を確認した。
第1条　別紙に添付の和歌山県知事職務代理者和歌山県副知事大橋正雄（以下「丙」という。）と甲との間に交換した和歌山南港貯木場造成土地の譲渡に関する覚書は乙は丙との間に交換し、其権利義務を認確することが公正妥当なるも造成土地譲受正式調印の日まで暫定措置として甲は乙に代わり丙との間に覚書を交換した。
第2条　従って正式調印の日まで甲は乙に代り甲は丙との間に交換した覚書により業務を遂行するも甲丙間の覚書の第1条乃至第4条の責任は実質上乙は負うものとする。
第3条　甲丙間の覚書により正式調印の日までに甲は乙の組合員並びに第3者に対し為した行為の責任の一切は乙これを負うものとする。
　以上覚書を証するため本書2通を作成（甲丙間の覚書写を添付）し記名押印の上各自1通を保有する。