木材搬出

又、熊野地方にて杉、松、檜は解除せられしたるも一定の条件を設けて保護したり、寛永13年御定によれば梢、栢、槻の大小立木は勿論古木をも一切伐採を禁じ杉、檜、松は7、8尺以上は伐採すべからずとあり。 是等留木を保護せんがため係役は帳簿(台帳)に一々之を記入し、木には印を附し、若し道路、橋梁、堤防等の普請用に松木を要し、或は家木願(火災、水害に遭いたるとき)あるときは係役をして精細に調査せしめ、帳簿と引合したる後伐木を許可したり。留木と雖(いえど)も運上銀を徴し期限を定めて其伐採を許可したり。田辺領にては寛政9年7月山運上銀を定め、請山の法を設けて従来の制限を悉く廃し村民の自治に任せたり。然れども皆伐の如きには制禁ありて乱伐を防止したり、又人民が私有山林を保護せんとするときは百姓等村役