大体の 価格を見積りおき売買は入札をもって毎日午後3時より日没迄水天宮浜(現中央市場前)の木場で行なわれた。これを俗に木場立と言う。
此の際問屋の売子は、値付帳と称する大黒帳の様なものを持ち行き、其の値付帳に当日売却すべき筏の種類、番号、材種、数量等を記入し置き、仲買人は此の値付帳に買取り価格を記入す。かくして問屋と仲買人の価格が相打合いたる時は問屋の売子は其の値付帳に黒線を引いて売買契約を結び、若し、当日何かの都合で木場立出来ざる時は仲買人は自己の希望する材種と価格を値付人に頼み置き、此の場合他の仲買人の差し値と同一価格である時は抽選にて分け合い、若し不必要となった時は値組出来ざる前に断り置かなければ抽選を断わることが許されなかった。