相となり、日支事変から大東亜戦争へと日本の戦時体制が着々と進められていた。
(二)戦時統制
木材統制法と目的
昭和16年3月12日法律第66号をもって<木材統制法>が制定せられ続いて同法施工令(勅第639号)及び同法施行規則が公布せられた。
この法律の制定の目的は言うまでもなく木材産業をして、長期に亘る戦火の拡大と高度国防国家の要請を背景としつゝ各産業を経済部内の計画に追随し、過去の自由経済から脱皮し、生産から配給の総てを一連の公的機関によって運営せんとするものであった。此の法律によると、昭和16年6月1日から新たに木材業を営むものは、行政官庁の許可を受けなければならないことが規定され、その許可には昭和17年5月21日限の条件がつきその期限後は、自動的に営めないことになっていた。これは後にのべる地方木材株式会社の設立準備のためで、此の期限を前にして各地方毎に製材工場の企業合同の措置が着々と推進せられた。この企業合同は多くの場合次の様な方法で行なわれた。
1.一定の地区にある全国工場を1単位とする。
2.資本は統合に参加する工場の固定資産を抱括して統合体に出資する。
3.運転資金及び設備資金は統合業者の出資によりそれを求める。
4.利益金及び残余財産の分配は現物出資の各々の率による。
5.経営は統合者の経験と手腕力量によって定め