重要物資輸送証明規則などが公布されていた為めに、輸送の円滑を欠き各産地の駅や港頭には製品が山と積まれ和歌山駅や和歌山港埠頭には製品が滞化山積した。
この様な事情から正規の販売ルートによらざる闇取引や輸送が横行し、現物が流れたあとで割当や輸送証明書が湖塗せられる様な有様であった。
木材統制法の撤廃と自由企業
斯様な実情から、戦災復興用材の急増を満すためには、木材統制法や、その他の諸規則は却って有害であるから早急に撤廃せよとの与論が全国各地に澎湃として巻き起るに至った。
ここに於て全国木材組合連合会が中心となって木材統制法の全面的な撤廃運動を展開するに至り、続いて昭和24年7月30日日本林材業協会が提唱して、全国の林材業團体の総る階層を網羅し連絡懇談会を結成、関係官庁にたいし、木材統制法の矛盾を指摘、その廃止の折衝を重ねた。廃止要請に関する趣旨は概要次の通り。(1)木材統制は生産、配給、価格を不可分なものとして扱ってきたことは理論的に誤っている。
従って代採調整を行なうにあらざれば、配給統制は廃止できないとする理論は再検討すべきである。(2)現在の状況および経済的関連から見て配給統制は廃止すべきである。(3)配給統制の矛盾は、すでに周知のことであり、とくに出先機関の運営に欠陥と弊害がある。(4)木材の検査制度および価格統制については、さらに別個に検討する必要がある。以上の理由による民間団体の意見がついに政党方面を動かすに至った。
これより先の同年27日自民党の政調会は大要次の様な声明を出している。