(2)経済状勢と業界の動向
昭和二十年八月十五日の終戦から二十有余年の才月が流れ、今や吾が国は自由陣営諸国では、米国に次いで第2位を誇り解放体制化に於ける貿易の自由化とともに、なおも大きな羽ばたきと発展を遂げつゝある。
一方木材の需要も著るしく増大、その需要は、戦前の凡そ数倍に達し、木材業は吾が国の基幹産業として益々脚光を見るに至った。
特に本市の木材産業は和歌山市の重要産業として急速な進歩と発展をとげた。焼土と化した二十数年前はたして誰が今日の発展を予測したであろうか、此の間の足跡を顧みながら、戦後の経済の移り変りや業界の歩みを辿って見よう。
インフレと材価の上昇
終戦直後から、昭和24年・5年頃までの吾が国の経済が戦時中の国家予算の大半をしめた軍事費が、戦後の復興に注がれたために、物資の欠乏がこれに拍車をかけ、物価が急に上昇、買いさえすれば儲かるといふ著るしいインフレが到来するに至った。立木を買いつけて搬出する僅か3・4ヶ月の間に材価が2倍も3倍も値上りするという有様であった。
かかるに情態が終戦直後から昭和24・5年頃まで続いた。
ドッジ・ラインのディスインフレ政策
此のインフレを仰制するために、昭和25年