不況と中小企業の倒産
特需景気が生み出した投資景気によって輸入が増大し、昭和28年下期より国際収支の赤字が増大し、同年10月日銀は金融引締の措置を断行、続いて翌29年に政府は1兆円予算によるデブレ際策を強行するに至り、再び深刻な不況が到来した。此の不況によって中小企業の倒産が相次いで続出するとともに、木材業界も其の波をまともに受けて、休業や倒産するものが発生した。
こうした中小企業の倒産を尻り目に、大企業は政府の輸出復興対策に名をかりて銀行資本と結合し旧財閥系の企業活動が盛んになるに至る。
 神武景気の好況
 やがてこの事実が、昭和31年以降の神武景気として現はれ、業界も好転するに至って価格も急騰するところとなった。
此の間昭和27年4月28日米国との単独講和が成立し、同時に安全保障条約が締結され、戦後日本を支配したGHQがついに廃止された。其の後昭和30年8月にはガット加盟、貿易の自由化が決定し、日本の諸産業は対米輸出を基軸に急速に発展を見るに至った。

 外材輸入始まる!

木材業界もこうした歩みの中で、需要の増大と共に発展をたどるのであるが、国内に於ける木材資源の不足から外材輸入の気運が漸く盛んとなり、本市に於ては昭和30年に初めてソレン材の輸入を見、続いて米材、南洋材が輸入されるに至った。その後外材輸入の増加と共に貯木場設置の必要性を痛感、昭和34年、”和歌山港湾貯木場設置促進協議会”を結成し関係当局に陳情す。