所得倍増計画と設備投資の拡大
一方此の頃池田首相の所得倍増計画と高度成長政策により諸産業の投資意欲は益々盛んとなり、設備投資が相次いで行はれ、吾が国の経済は急速な発展を見ると共にアメリカを初め自由陣営諸国は、いずれも黄金の時代を迎へた。
木材価格暴騰!
<緊急安定対策の実地>
此の好況によって、諸物価は忽ち高騰、中でも木材価格の暴騰は著るしく、遂いに政府は昭和36年7月の閣議に於て、木材価格緊急安定施策を審議するに至った。
吾が国に於て木材価格の問題が閣議にのぼったのは、戦前戦後を通じ初めてである。
外材輸入の促進と港湾整備五ヶ年計画
閣議の結果安定対策として、税制面では、林業経営者伐採に関する所得税の累進率を向う三ヶ年間引下げる措置と又農林省では国有林の増伐実地するとともに、一方外材輸入増進計画を強く打ち出した。更らに運輸省では外材輸入のための港湾設備事業五ヶ年計画を樹立し、各港の整備促進を見るに至った。
この港湾整備五ヶ年計画とともに、本県に於ては北部臨海工業地帯の造成計画もたらされ、懸案の貯木場の建設が愈々本決りとなり、昭和39年着工を見るに至った。
中小企業の倒産と木材価格の暴落
此の間木材緊急安定対策の実施を見た昭和36年7月、日銀は時を同じくして同年7月より公定歩合を一厘引上げ、続いて9月より、本格的な景気調整策が打ち出され更らに10月より金融引締