理事長、石井堅蔵の3氏が発起人となり「和歌山港湾貯木場設置促進協議会」を結成、会長に山本進重郎氏を選任、爾来本会が母体となり積極的な活動を展開するに至った。当日創立総会の席上山口 平内専務理事は貯木場設置促進について次の様な趣旨をのべ説明した。
<和歌山市は木材の集散、製材の生産地として全国に知れ亘った木材産業都市である。当地は各地から木材を集め、これをそのまゝ或は製材および加工して他に散ずる集散の地である。従って常に蓄積される木材の量は非常に多いにもかかわらず、水面貯木場が皆無にひとしく業者は安全貯材に心痛している。毎年必ずと言ってよい程夏季には台風により、大なり小なり被害を蒙り業者の損害も誠に多大である。殊に近年は内地材の不足と外材輸入の増大により、本年ごときはソ連材の輸入が太平洋岸では第1位となる盛況である。又今後港湾施設の完備するにつれてソ連材の外に米材が輸入の最たるものと予想される。
 外材輸入は内地材の移入と異って、大型本船を利用し、一時に大量が荷卸しされ、その上通関、植検業務のため荷卸しされたまゝ最小限十数日間は、滞留することとなるので次々に入港する場合相当広漠な水面が必要である。
 木材の集散地である和歌山而も港湾木材産業都市である和歌山の将来は、取扱う木材の主たるものが外材となってくることは必定で、然も取扱う木材の90%以上を外材に依存しなければならぬと予想される。
 こうした現况に鑑み貯木場の有無は業界にとっては死活の問題で、このまゝでは、和歌山市における木材産業は、益々すい微の途をたどるより外なくやがては死地に直面することが必至である。
 伊勢湾台風の災害の甚大と、今後の外材の激増に