るのでありまして、他の物資は物価指数300内至400倍の線にほぼ固定しましたのにひとり木材だけが其数倍と高騰いたしまして未だ安定いたさないのであります。
斯様に木材価格の高騰は物価対策の上から考えましても亦国民経済並に国民生活に及ぼす影響は非常に甚大でありまして、本年2月議会において問題となりまして以来政府は、この対策について検討を重ねまして、河野農林大臣就任後木材緊急対策が決定いたしました。
この木材対策の1つに外国材の輸入の増加を図るという事を打出されたのであります。
昭和35年度木材輸入の実積は約6,000,000立方メートルでありまして、昭和36・37の両年度において6,000,000立方メートル増加を図ることとしたのであります。
かつて港湾をもつ木材産業都市は外材輸入に懸命となり全国の津々浦々は外材ラッシュの状况を呈するようになりました。
わが和歌山港も亦同様にて昨今では外材輸送船が毎日4・5隻港内に待機して荷役の順番をまっていますので港内は勿論すべての河川、市堀川の木材を繋留できる水面は、外材で充満し或は不法に水面を占有して一般に御迷惑をおかけしておりますことは誠に遺憾でありますが、この暴挙を敢てせねばならないように木材業界が追い込まれているということであります。即ちわが木材産業は従来から和歌山において誠に重要な産業でありまして扱高でも全国有数であります。だのに此の地に完全な水面貯木場が少ないということであります。
幸に今度県において県北部臨海工業地帯造成の1つに水軒浜を埋め立て併せて南港建設の計画を樹立され、其南港は木材港として設計され木材の荷捌場を併設されるということを承っておりまして、国、県のこの御好意に関しわれわれ業界は深く感謝しておるのであります。
然し南港の建設にしても未だ着工していない今日では早急に期待する事は無理な問題でありますし、完成した暁でも木材荷捌所の面積や収容能力は和歌山としての扱量に比して規模は小さい事と考えられるし、通関や植検の法的手続を必要とする外材、季節的に集中輸入がある外材ということを考慮する場合は尚広域な貯木場が必要であります。昭和36・37年度の木材対策には、南港では間に合わないし狭いということから、今直ぐにでも使用でき得る貯木場がほしいのでありますが所々物色しましたところ、広さといい、直ぐ間に合う便利な自然的な水面ということで、和歌浦の片男波防波堤に包