帯は、風光明媚な絶勝地で、太古より有名な歌に詠まれた古蹟や四囲の環境、その他海苔業者の補償問題等の関係から本計画も実現不可能となった。
 そこで先に結成した和歌山港湾貯木場設置促進協議会では、再び検討協議の結果、先に立案した水軒浜の1部荒浜(現在の南港)を埋立てるより他に適切な場所は、ないとの結論に達し、この実現に邁進することに決定した。此の頃より木材価格は暴騰時の河野農相はこの木材価格暴騰の抑制策として、外材輸入の促進に力を注いだため輸入が激増し全国的に木材輸入港湾荷受設備の不備や、水面貯木施設の不足が大きな問題となると共に港湾や河川の至るところに木材が氾濫した。
かかる事態を重視した運輸省は 昭和36年から同40年に至る港湾整備5ヶ年計画をたて、全国港湾整備のため総額250,000,000,000円の投入を閣議で決定、うち木材輸入港の施設費として約8,300,000,000円を計上することとなった。
 一方県の北部臨海工業地帯造成計画は着々と進行しつあった。当時の県の計画は北部臨海開発計画を基本とする南港計画と背後地帯水軒浜を埋立て、南部に100,000坪程度の泊地を設け残り全部を埋立て、ここに工場を誘致すると言う計画に過ぎなかった。
 ところが運輸省は和歌山本港は南港としてのみでなく、工業港としての発展もめざましく北港を鉄鋼港湾、県の企図する南港を和歌山県の木材産業の重要性と今後益々増加が予想される外材輸入と防災などの見地から南港はむしろ木材専用港とし、これに木材整理場と水面貯木場を付設すべきであるとの意図が強く打ち出された。この様な事情から県は当初の計画を変更し、港湾審議会の審議を得て、南港を木材専用港とし、その中に水面