昭和38年4月27日
甲 和歌山木材協同組合
理事長 中谷長蔵
乙 和歌山南港貯木場造成出資者組合
組合長 石井堅蔵
<昭和38年起工>
昭和38年4月運輸省港湾審議会は和歌山木材港の全体計画について審議決定を見ると共に、引続き同年7月19日和歌山県議会に於て計画の実施を承認議決した。
一方難航に難航を重ねた水軒浜漁業補償問題も同年10月18日補償額170,000,000円で水軒漁業協同組合と県との間で<水軒浜共同漁業権>を全面放棄する事の調印が行われた。
かくして愈々工事施工の運びとなり、昭和38年11月7日工事の入札を実施、清水建設と浅川組が主な工事を落札、続いて同年12月7日県は国及び市その他関係業者代表等凡そ3百数十名を招待し現地で盛大な起工式が挙行され、当和歌山木材業界積年待望の貯木場造成の進行曲第1章が奏ぜられた。かくて紀伊水道に面し太平洋の黒潮が打ちよせる白砂青砂の海水浴場水軒浜も建設の槌音と共に日増しに其の様相が変化するに至った。
工事着工後大きな台風もなく作業が比較的順調に進行したが、ここに1つの大きな問題に遭遇した。
<工場用地櫛型に変更>
先ず第1貯木場東隣りの1番広い場所をどのように利用するか、特筆するまでもなく製材工場用地帯とせなければならない。それには埋立を変更する必要がある。港湾地帯に於ける製材は、殆んど大径木の外材である。且つ港湾と貯木場が直結している事などの点から製材用地は総べて水面に