く様に考えねばならん。又外材の大型工場は能率の向上によるコストダウンよりも色ものなどのなるべく利潤の多い役物を多くとる様な方法を研究すべきだと思う。
それと製材工場の近代化は結局製材工場の省力化につながってゆくと思う。最少の人員で最高の能率をあげる方法である。そのためにはテーブルのハンドル持ちなどの様な高級技術者をなるべく少なくして女子工員でもできる様な方法に設備を改善すべきである。
中村昇次郎氏…製材工場の近代化には先ず第1に製材機の近代化が必要であるが、現在の製材機は昔のまゝで何ら改善されて居らない。ただ値段が高くなったと言うだけである。これは製材機を製作するメーカーにも責任はあるが、製材機を直接使用する我々工場主が機械にたいする関心が薄いためである。
オガクズがどんどん出てこの処理に困るのは製材機は昔のまゝで一向に進歩していないからである。優秀な機械を設置すれば木の挽きはだも良く、又良い製品ができるしオガクズの排出量も少なくなる。だから製材工場の近代化は先ず優秀な性能の良い機種を選ぶ事と次に原木については外材の種類や、木質や、その特徴を充分研究し、米ツガのみに依存せず現在の需要に適応した生産方法をとる事と、今1つ労務面では最少の人員で最高の能率を発揮する方法を研究する事である。これが製材工場の近代化である。
山本進重郎氏…近代化の方法にも種々あるが結論的に言うと人件費を少なくして金の歩止りを良くする事である。能率ばかり上げても利益があがらなかったらそれは近代化とは言えない。