従来の木材業界の状態を見ると、商社あり問屋あり、製材あり、仲買あり、小売ありで、タテ割式な単純な流通経路であったが、おそらく今後起るだろうと思うことはヨコ割的な経済と、それにともなう流通経路である。
従来、仮に1つの問題点が提起された場合には1次産業分野においては技術革新をすれば良いというような考え方であった。
然し今後は技術革新だけでなく新結合と言う事が叫ばれてくる。新結合とはどんなことかと言うと、例えば木材と鉄との結合、木材とガラスの結合、木材と繊維の結合等である。木材業界も将来この様な方向に進んで行かなければ現在の様な方法では時代おくれとなる。
日本の経済は近年非常に発達し、欧州あたりではエコノミックアニマルと、このように喧伝されて居り、政治的には政府は経済社会発展計画だとか、新国土開発総合計画などを去る43年に立てたが、此の計画はわずか1ヶ年を経過した44年にはすでに役立たない様な有様になり、新しい計画を建て直さなければならない様な現状にある。
この様な情勢の変化につれて、大企業や商社は住宅産業に目をつけ、住宅分野に益々進出せんとしている。斯様な現状にかんがみ木材業者は今後いかに対処しなければならないか、これが木材業界の今後の最も大きな課題である。これには3つの方法がある。先ず第1に資力のある者は自力で住宅会社を作り土地を購入して自家工場で部材を生産して提供し、その他ガラスとか釘、住宅建設に必要な販売業者を総合的に自社の傘下に組み入れる様な住宅建設会社を設立することである。単的に言うと丸い物を角に挽く製材工場から住宅建設