ＳＭＩＬＥ ＷＯＯＤ ＮＥＷＳ

この度、和歌山木材協同組合の若手経営者が中心となり、組合員向け広報誌『ＳＭＩＬＥ　ＷＯＯＤ　ＮＥＷＳ』を発刊することになりましたことに対し、理事長として大変嬉 しく思う次第でございます。

「構造改革なくして景気回復無し」をスローガンに発足した小泉内閣は、すでに１年有 余月が過ぎましたが、抵抗勢力の反発もあって改革は遅々として期待したほど進まない状 況にございます。９月３０日には第二次小泉内閣が発足しましたが、果たして景気再生策となる政策がどれ程打ち出 されるか、大いに期待されるところでございます。

日本経済は水面ぎりぎりの低空飛行を続けている状況にございます。物価はデフレ、不動産・株式は大幅な値下がり、 個人消費・設備投資・住宅投資も前年比マイナスとなっています。唯一好調なのは米国向け、アジア向けの自動車・鉄 鋼などの輸出産業です。その米国もこの１年、テロに続く粉飾会計事件などで大きなダメージを受け、景気は減速中 であります。株価水準で見ますとダウ平均は１年前より約１１％、ナスダック指数は約２２％値下がりし、重い後遺 症に会う井でいます。一方、アジア各国の経済は中国を筆頭に、タイ、マレーシア、フィリピンなまどのアセアン諸国が ５％以上の経済成長を続け、我が国経済に好影響を与えています。このように、米国やアジア各国の景気動向の如何 が我が国経済の先行きを決定すると言っても過言ではございません。景気の回復には積極的な財政政策が要請されま すとともに、最大の懸案であります不良債権を一刻も早く処理する必要が叫ばれております。 不況に加え、不動産価格の下落が新たな不良債権を発生させ、更に株価の下落

下落も金融機関の経営を圧迫しております。ここに至り、金融シ ステムの不安定さを解消すべく、日本銀行による大手銀行の保有株式の買い取りや、政府による公的資金の注入が予 定されており、これによって日本経済が早期に立ち直ることが大いに期待されるところであります。個々の企業では リストラの進捗によって今年度の業績は改善され、大幅な増益になると予想されています。リストラの目標である「雇 用・設備・債務」の過剰を減らしている企業とそうでない企業との格差が歴然となってきており、我々中小企業もでき る限りこれら３つの過剰の調整を進めていかなければならないと考えます。住宅着工戸数の減少に加え、中国やヨー ロッパから安価な資材が大量に輸入され、木材関連業者にとって厳しい経営を強いられている状況にございます。 他の産業でもしかり、他の地域の木材業者も生き残りをかけ必死になって新製品の開発やリストラに取り組んでおり ます。厳しい中にあっても、私の座右の銘「念ずれば花開く」ことを信じ、日々努力を続けていきたいものでありま す。

今般、木材産業活性化対策委員会が先進企業の視察を企画し、前向きに取り組んでいこうとする意欲を示された ことを大いに評価したいと思います。若い経営者のバイタリティ、創造力更にはハングリー精神をもって木材業界の 前途に光明を見出していただきたく思います。

この『ＳＭＩＬＥ ＷＯＯＤ ＮＥＷＳ』が種々のアイディアや研鑽 の材料を提供するツール（道具）に、又、組合員の経営に関する指針となる情報も併せて提供してくれることを期待 して、発刊のことばといたします。