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平成15年9月30日発行

SMILE WOOD NEWS

情報コミュニケーション誌

第9号

 

通常総会

和歌山木材協同組合の第58回通常総会が、5月29日午後4時30分からホテルアバローム紀の国(和歌山市)において37名の出席を得て盛大に開催された。最初に早田理事長が、わが国経済は「いざなぎ景気」を超える長い期間、緩やかに回復基調を続けているが、地方の中小企業や木材産業には景気回復感は薄く、依然として厳しい状況が続いている。このような木材産業を取り巻く厳しい経済情勢の中で、組合事業も年々縮小傾向にあるが、本年度は組合員の増強及び木材会館の有効利用に努めてまいりたい、と挨拶を述べた後、朝間副理事長が議長に選出され、議案の審議に入った。提出された議案は全て原案どおり可決・決定され、午後5時30分通常総会は終了した。

 

 

早田理事長
 

引き続き、和歌山県農林水産部林業振興課木材振興班長玉置公晴氏を講師に招き、和歌山市の木材史について和歌山県木材史(平成5年和歌山県木連発行)に基づく講演会を開催、参加者は明治から平成までの和歌山市の木材業の変遷を興味深く聞くことが出来た。午後6時30分から朝間副理事長の挨拶、中谷県木連会長の乾杯の発声により懇親会に移り、午後8時ごろまで和気藹々のうちに楽しいひと時を過ごした。

玉置氏

平成19年度事業計画
 わが国経済を堅調に推移しつつも、業種間、地域間それぞれの格差は依然として存在し、特に中小企業では景況に停滞感が見られ、先行き見通しも不安を残している。このような中で、木材需要の太宗を占める住宅建築の動向は、平成18年の新設住宅着工戸数が4年連続増加を示すとともに、長らく水面下にあった「持家」も3年ぶりに増加した。しかし、一部を除くと木材需要の回復感を感じる余地が少ない状況にある。一方、外材相場の急騰の影響が国産材相場にも及び、長期間にわたって下降傾向にあった国産材価格が上昇に転じ、また、大型工場の出現、製材用途以外の分野で国産材に対する評価の高まりから、資源としての国産材原木に対する評価の高まりから、資源としての国産材原木に逼迫感を生じるなど、明らかにこれまでとは違う状況が現れてきている。これを機に、品質・規格の明確化と木材利用の推進を図り、消費者の理解を得る努力がますます求められている。 また、改正中小企業等協同組合法は本年4月1日より施行され、協同組合のガバナンス工場が強く求められている。 このような木材産業を取り巻く厳しい経済情勢の中で、組合事業も年々縮小傾向にあることから、効率的な運営が求められ、経費削減にも一層努めなければならない。
以上、組合を取り巻く厳しい情勢を踏まえ、平成19年度も従来からの事業を確実に実施するとともに、関連団体との連携のもと木材需要拡大運動にも積極的に取り組むこととする。
  具体的には、次に事業を実施する。

 

朝間副理事

事業計画

木まつり

4月2日(日)、恒例の「木まつり」が「木の神様」で知られる伊太祁曽神社(和歌山市伊太祁曽)において、満開のさくらのもと、大勢の組合員とその家族、県内外からの関係者の参加のもと盛大に開催された。。当日は、昨年とは違い絶好のお花見日和で、午前11時から神事が行われ、早田理事長に続き17団体の代表者が玉串を奉奠、日頃の「木」に対する感謝の意を示すとともに、業界の発展と参加者の健康を祈願した。その後、関係者による記念植樹が行われ、神事は滞り無く終了した。昼食は絶好の晴天と満開のさくらのもと家族や従業員とともに弁当を広げ、楽しい一時を過ごした。午後1時から、宮司の太鼓の音を合図に「餅まき」が行われ、境内を埋め尽くした大勢の人々の歓声が鳴り響いていた。 その後、田辺市龍神村在住の城所氏によるチェーンソーカービングの奉納が行なわれ、チェーンソーひとつで来年の干支を彫り上げるその技術に参拝者は見とれ、大きな拍手を送っていた。 また、終日、木工品、植木、地元特産の農産品などの青空市が開かれ、大勢の人が買い物を楽しんでいた。 さて、「日本書紀」によると、素戔鳴尊(スサノオノミコト)が顔のひげを抜いてまかれると杉になり、胸の毛をまかれると桧になり、尻の毛は槙になり、眉の毛は樟となった。そして「杉と樟は浮宝(船)の材料とせよ。桧はお宮を建てるのに使うが良い。槙は棺を造る材料とし、また食料となる実のなる木を植えよ」といわれた。スサノオはその子五十猛命(イタケルノミコト)に木を植えることを命じた。そして五十猛命はその姉神の大屋津姫命(オオヤツヒメノミコト)と柧津姫命(ツマツヒメノミコト)とともに筑紫の国から植え始めて、日本全国を植林し青山となしたのち、紀伊国に行かれた、とあります。伊太祁曽神社はこの五十猛命を祀っており、大屋津姫命と柧津姫命も一緒に祀っています。五十猛命は木を植えることを中心に、柧津姫命は伐木を大屋津姫命はこれを組み立てて住居を作ることを教えられました。スサノオが植林から建築までのリーダーとなり、日本全国を青山すなわち緑の山にしたのです。 また、筑紫の国から植え始めたということで、佐賀県の基山町が日本最初の植林地であるということで、「日本植林発祥の地」として記念碑が建っています。

木まつり

院庄林業視察

くめ工場

 組合の木材産業活性化委員会主催の視察研修が、去る平成18年11月26日~27日、組合員13名の参加を得て、岡山県(勝山、津山)の銘建工業㈱と院庄林業㈱において行われたので、その概要を報告します。 一行は、11月26日(日)午後和歌山木材会館前バスで出発、日曜日で高速道路は交通量も少なくスムーズに走行、予定どおり夕刻、湯原温泉・湯原国際観光ホテルに到着、早速温泉に入りバスの疲れを癒し、その後懇親会に移り楽しい一時を過ごした。翌27日午前中に銘建工業㈱(真庭市勝山)を訪問、先ず会議室で長田総務部長より会社の概要説明があり、その後、担当者の案内により工場内を視察、再び会議室において懇談を行った。懇談会には中島浩一郎社長が出張先の高知から懇談会に間に合うように駆けつけていただき、有意義な懇談会となった。 銘建工業㈱は、1923年、中島材木店として製材所を創業。1970年には銘建工業㈱に社名変更と同時に集成材生産を始めています。取扱品目は構造用集成柱・化粧ばり構造用集成柱(本社工場)、特に3m柱においては国内トップシェア(20%以上)を占めている。構造用中断面集成材(本社工場)、国内最大・最新設備の集成平各工場。構造用大断面集成材(大断面工場)、構造用大断面集成材の製造、加工及び建築工事、中・大規模木造建築物の多様な設計要求に的確に対応されている。桧人工乾燥柱(久世工場)、優れた乾燥技術と量産化により、安定した品質を実現されている。 中島社長のお話では、近年の世界的な木材供給のタイト感、ユーロ高、船運賃の高騰などにより、北欧の集成材ラミナの入手に先行き不安感があることから、国産材スギを原料とした大規模な製材工場の建設を熊本県、高知県で計画されているそうです。 平成6年に完成した国内最大級の集成管柱製造ラインは圧巻、その合理化された生産工程は我々の従来の認識を一変させるものであった。このほか同社では、平成9年に木材業界では最初の廃材等を熱源とするエコ発電所を完成、平成16年には木質ペレット燃料の製造を開始、バイオマスエネルギーの利用に積極的に取り組んでいる。 午後から、院庄林業㈱本社工場(津山市二宮)を訪問、最初に豆原義重会長、竹久事業部長と懇談会を開催、豆原会長は「紀の国和歌山も有数の産地。我々の取り組みが参考になれば幸い」と歓迎のあいさつがあり、風倒木の影響に関する質問には選別の徹底等に注力。国産材に寄せる消費者の期待を裏切らない様努めたエピソードを披露。また国産材は供給力不足がネックで、業界全体が協調して対処しなければ解決は難しいとし、地域を越えて取り組んでいくことが大切と協調された。その後、竹下事業部長の案内で原木の選別から製材・乾燥工程をつぶさに見学。品質第一主義を貫きながらコストダウンに努める姿勢に感動した所である。また、当初予定になかったが太陽光発電を利用したインノショウフォレストリークくめ工場(津山市くめ)へ移動。中四国最大級のソーラーパネルや集成材製造ラインを見学した。 院庄林業㈱は現在、製材事業部(本社工場)では信頼される天然素材の製材品づくり。製材事業部(久米工場)では最新の乾燥設備で、国産材の未来をつくる。集成材事業部(清水工場)ではエコロジーの視点で取り組むEW生産拠点。インノショウフォレストリー㈱(くめ工場)では最新の設備と先端技術で信頼の商品づくり。プレカット・直販事業部では独自のノウハウは生きた高付加価値のプレカット技術。住宅部では世代を超え愛される住まいづくり。快適な暮らしをプロデュース。などの多角的な部門を持ち、積極的に事業展開を行っている。

本社工場

 

住生活基本法